漠然としたお金の不安を整理!夫婦で話し合う前にやっておくべきこと
漠然としたお金の不安、どうすれば?
将来のお金について、なんとなく不安を感じているという方は少なくないでしょう。特に、家計管理が夫任せだったり、漠然とした不安はあるものの、具体的に何をどう考えれば良いか分からないという状況かもしれません。夫婦で話し合う必要があると感じていても、「夫が話したがらない」「何から切り出せばいいか分からない」といった理由で、なかなか一歩を踏み出せないこともあるかもしれません。
夫婦でお金について話し合うことは、将来の安心につながる非常に重要なステップです。しかし、話し合いを始める前に、まずご自身一人で不安を整理し、現状や希望を明確にしておくことが、話し合いをスムーズに進めるための鍵となります。この過程は、漠然とした不安の正体を掴み、冷静に話し合いに臨むための心の準備にもなります。
この記事では、夫婦でのお金の話し合いを始める前に、ご自身一人でできる「不安の整理」と「準備」の具体的なステップをご紹介します。
なぜ、夫婦で話し合う前に一人で準備が必要なのか
夫婦でお金の話をする際、準備が不十分だと、感情的になったり、話が本筋から逸れてしまったりすることがあります。特に、お金の話を避ける傾向があるパートナーとの話し合いでは、最初の切り出し方や論点の整理が非常に重要になります。
ご自身一人で事前に準備をすることで、以下のような効果が期待できます。
- 不安の具体的な原因がわかる: 漠然とした不安が、教育費なのか、老後資金なのか、日々の支出なのか、その正体を具体的に把握できます。
- 現状を冷静に把握できる: 感情を挟まずに、今、ご自身のお金がどのような状況にあるのか、把握できる範囲で確認できます。
- 自分の希望や考えが明確になる: 将来についてどうしたいのか、どのようなことをパートナーに伝えたいのか、整理できます。
- 話し合いの論点が定まる: 何について話し合いたいのか、具体的な議題を設定しやすくなります。
- パートナーに伝えやすくなる: 整理した情報に基づいて話すことで、感情的にならず、論理的に伝えられるようになります。
これらの準備は、パートナーとの対話の質を高め、建設的な話し合いにつながる土台となります。
ステップ1:漠然とした「不安」を具体的に書き出してみる
まずは、あなたが何に対して不安を感じているのか、頭の中にあることを全て書き出してみましょう。紙に書き出すことで、漠然としていた不安が「見える化」され、冷静に捉えることができるようになります。
- 「子供の教育費は足りるだろうか?」
- 「自分たちの老後資金はいくら必要で、どう貯めればいいのか?」
- 「夫の収入が減ったらどうしよう?」
- 「急な病気や事故があったらお金はあるのか?」
- 「今の生活で、将来のための貯蓄はできているのか?」
- 「そもそも、家計全体がどうなっているのかよく分からなくて不安」
どのような小さな不安でも構いません。思いつくままに、箇条書きで書き出してみてください。この段階では、解決策を考える必要はありません。ただ「何に不安を感じているのか」を明らかにすることが目的です。
ステップ2:現在の家計状況を把握する(把握できる範囲で)
家計全体を完璧に把握していなくても大丈夫です。まずは、ご自身がアクセスできる情報から、現在の家計状況を把握してみましょう。
- 預貯金の確認: 銀行口座やゆうちょ銀行など、ご自身名義や夫婦共有名義の口座残高を確認してみましょう。おおまかな合計額を把握します。
- 毎月の収入と支出を把握する: ご自身のパート収入や、把握している夫の収入。そして、毎月引き落とされている光熱費、通信費、保険料、お小遣いなど、分かる範囲で書き出してみましょう。家計簿をつけていなくても、通帳の記録やクレジットカードの明細を見れば、ある程度把握できます。
- 加入している保険や年金を確認する: どのような保険に加入しているか、公的年金の見込み額はどのくらいか(ねんきん定期便などを確認)。これは、将来の安心を考える上で重要な情報です。
- 資産・負債の確認: もしあれば、保有している投資信託や株式、住宅ローンやその他のローンの残高も確認します。
全てを詳細に把握する必要はありません。まずは「おおよそ、これくらいかな」という形で構いませんので、お金の流れや貯蓄の状況を大まかに捉えることが大切です。この現状把握が、ステップ1で書き出した不安と結びつき、具体的な課題が見えてくることがあります。
ステップ3:将来に対する「希望」や「理想」を考える
不安だけでなく、将来について「こうなりたい」「こんな生活を送りたい」という希望や理想も考えてみましょう。
- 「子供にどのような教育を受けさせたいか」
- 「何歳くらいで仕事を辞めたいか」
- 「退職後はどんな生活を送りたいか(旅行に行きたい、趣味を楽しみたいなど)」
- 「マイホームのリフォームや住み替えは必要か」
- 「病気になった時の医療費は心配ないようにしたい」
漠然としたもので構いません。あなたが将来に対して抱いているポジティブな希望を考えることで、お金を貯める目的や、夫婦で協力して取り組む目標が見えてきます。不安だけでなく、希望を原動力にすることで、前向きな話し合いにつながります。
ステップ4:話し合いの論点を整理し、伝える準備をする
ステップ1〜3で整理した「不安」「現状」「希望」を基に、夫婦でどのようなことについて話し合いたいのか、論点を整理します。
- 「子供の教育費について、具体的な貯蓄計画を立てたい」
- 「老後資金のために、毎月いくら貯めるか目標を決めたい」
- 「家計全体の収支を把握し、無駄がないか見直したい」
- 「お互いのお金の使い方について、ルールを決めたい」
このように、漠然とした不安が「〜について話し合いたい」という具体的な議題に変わります。
さらに、パートナーに話をする際に、どのような言葉で切り出すか、どのように伝えるかを考えておきましょう。感情的にならず、「将来のために一緒に考えたいことがある」という協力的な姿勢で伝える準備をします。
準備ができたらいよいよ話し合いへ
一人での準備は、夫婦でのお金の話し合いに向けた大切な一歩です。この準備を通して、ご自身の漠然とした不安が整理され、冷静に現状や希望を捉えられるようになります。
「話し合い」は、一度で全てが解決するものではありません。繰り返し対話を重ねていく中で、お互いの理解を深め、協力体制を築いていくものです。まずは、ご自身が整理した不安や希望を基に、「一緒に将来のお金について考えてみない?」と穏やかに声をかけることから始めてみてはいかがでしょうか。
次回の記事では、この準備を踏まえて、パートナーにどのように話し合いを切り出すか、具体的な声かけの方法についてご紹介します。