夫婦でリストアップ！将来の大きな出費（ライフイベント）を共有する話し合い方
夫婦で「いつ、何に、いくら」？ 将来の大きな出費（ライフイベント）を具体的に共有する話し合い方
将来のお金について、漠然とした不安を抱えている方は少なくありません。特に、教育費、住宅、車の購入・買い替え、旅行、そして自分たちの老後資金など、将来的に大きな支出が見込まれるライフイベントは、いつ頃、いくらくらいかかるのか、どのように準備すれば良いのかが不明確だと、不安は募るばかりです。
このような漠然とした不安を解消し、将来に向けて具体的な一歩を踏み出すためには、夫婦でライフイベントとお金について具体的に話し合い、共通認識を持つことが非常に重要です。この記事では、将来の大きな出費、すなわちライフイベントにかかる資金について、夫婦で具体的にリストアップし、共有するための話し合い方について解説します。
なぜ夫婦でライフイベントの資金について話し合う必要があるのか
将来のライフイベントにかかる資金について夫婦で話し合うことには、以下のようなメリットがあります。
- 漠然とした不安を具体的な課題に変える: 「将来お金が足りるかな」という漠然とした不安は、何に、いつ、いくらくらいかかるのかを具体的にすることで、「〇年後までに〇円必要だから、毎月〇円貯めよう」という具体的な目標に変わります。
- 共通認識を持ち、協力体制を築く: お金に関する認識のずれは、夫婦間のすれ違いの原因になりがちです。具体的なライフイベントとそれに必要なお金を共有することで、夫婦で同じ目標に向かって協力する体制を築くことができます。
- 計画的な資金準備が可能になる: いつ頃大きな支出があるかを把握できれば、計画的に資金を準備することができます。これにより、慌てて高金利のローンを組んだり、計画通りに進まず後悔したりするリスクを減らすことができます。
- 優先順位を明確にする: 限られた収入の中で、どのライフイベントに優先的に資金を充てるべきか、夫婦で話し合いながら優先順位を決めることができます。
ライフイベント資金について話し合う前の準備
話し合いを始める前に、いくつか準備をしておくとスムーズに進みます。
- 話し合いの場を設定する: 落ち着いて話せる時間と場所を確保しましょう。家事や育児に追われる時間帯や、どちらかが疲れている時は避け、リラックスできる雰囲気作りを心がけると良いでしょう。
- 現在の状況を把握する: 現在の収入、支出、貯蓄額などを大まかに把握しておくと、将来の計画を立てる上で現実的な話し合いができます。家計簿や通帳などを準備しておくと良いでしょう。
- 「知りたいこと」を整理する: どんなライフイベントがありそうか、それぞれのイベントにいくらくらいかかるのか、どのような方法で情報を収集したいかなど、自分自身が知りたいことや確認したいことを整理しておきます。
具体的な話し合いのステップ
いよいよ、夫婦でライフイベントの資金について話し合う具体的なステップをご紹介します。
ステップ1：将来のライフイベントをリストアップする
まずは、夫婦で協力して、将来的に起こりうる可能性のあるライフイベントを自由にリストアップしてみましょう。どんなに些細なことでも構いません。「いつ頃」起こりそうか、大まかな時期も一緒に書き出してみます。
リストアップの例:
- 子供の入学（小学校、中学校、高校、大学）
- 習い事や塾の費用
- マイホームの購入またはリフォーム
- 車の購入または買い替え
- 家族旅行
- 親の介護費用
- 自分たちの病気やケガへの備え
- 自分たちの退職・セカンドライフ
- Uターン・Iターン
- その他（趣味、習い事、資格取得など）
この段階では、金額は気にせず、まずは「何がありそうか」を洗い出すことに重点を置きます。
ステップ2：それぞれのイベントに「いつ頃」「いくらくらい」かかりそうか目安を調べる・話し合う
リストアップした各ライフイベントについて、「いつ頃」、「だいたいどのくらい」の費用がかかるのか、具体的な金額の目安を調べてみましょう。
- 情報の収集: インターネットの検索、関連書籍、知人へのヒアリングなど、様々な方法で情報収集ができます。教育費、住宅購入費、老後資金など、公的なデータや平均的な金額も参考になります。
- 夫婦で話し合う: 調べた情報を共有し、「我が家の場合、〇〇についてはこれくらいかかりそうかな」「この費用はもう少し抑えられるかもしれないね」など、夫婦で話し合いながら現実的な金額イメージを固めていきます。地域や進路によって必要な金額は大きく変わるため、ご家庭の状況に合わせて具体的に検討することが大切です。
このステップを通じて、「漠然とした不安」が「〇年後に〇円必要」という具体的な目標に変わっていきます。
ステップ3：現状の資金と比較し、課題を共有する
必要な資金の目安が見えたら、次に現在の貯蓄や収入状況と比較してみましょう。
- 目標額に対して、現在の貯蓄で足りるのか、どれくらいの不足があるのかを具体的に把握します。
- 毎月の収入から、どのくらい貯蓄に回せそうか、あるいは既に回せているかを確認します。
この比較を通じて、「あと〇円足りない」「毎月の貯蓄ペースを上げないと間に合わない」といった具体的な課題が見えてきます。この課題を夫婦で共有することが重要です。
ステップ4：資金準備に向けた具体的な方法を話し合う
課題が明確になったら、その課題を克服するために、どのように資金を準備していくかを具体的に話し合います。
- 貯蓄目標の設定: 毎月いくら貯蓄するのか、具体的な目標額を決めます。
- 節約: どのような支出を抑えられるか、夫婦で協力して取り組める節約方法を話し合います。
- 収入増: 副業や転職、パートの時間を増やすなど、収入を増やす方法についても話し合う機会を持つかもしれません。
- 資産運用: 貯蓄だけでなく、NISAやつみたてNISAなどを活用した資産運用についても、興味があれば学び始め、夫婦でどのように取り組むか検討することができます。ただし、リスクも伴うため、しっかりと情報収集し、無理のない範囲で始めることが大切です。
どの方法を選択するにしても、夫婦で納得しながら、無理なく継続できる方法を見つけることが重要です。
話し合いを円滑に進めるためのポイント
- 相手の意見を尊重する: ライフイベントやお金に対する考え方は、夫婦でも異なる場合があります。相手の意見を頭ごなしに否定せず、まずは「なぜそう思うのか」を理解しようと努めましょう。
- 感情的にならない工夫をする: お金の話は感情的になりやすい側面があります。少しでも感情的になりそうだと感じたら、休憩を挟む、改めて時間を設けるなどの工夫をしましょう。冷静な話し合いを心がけることが、円満な解決に繋がります。
- 完璧を目指さない: 一度の話し合いですべてが決まるわけではありません。大まかな方向性が定まれば十分です。まずはリストアップから始めて、少しずつ具体的な内容を深めていく、というように段階を踏むことも有効です。
- 「一緒に将来を創る」という意識を持つ: お金の話は、単なる数字の羅列ではありません。夫婦で協力して、どのような将来を築いていきたいのか、という共通の目標を持つことで、前向きな話し合いになります。
夫が「お金の話から逃げる」と感じる場合の対処法
もし夫がライフイベントやお金の話したがらない場合でも、諦めずにアプローチを続けることが大切です。
- 小さなことから始める: いきなり全てのライフイベントについて話すのではなく、「次の家族旅行の費用について相談したいのだけれど」など、具体的な一つことから切り出してみましょう。
- 話し合うことのメリットを具体的に伝える: 「将来の教育費がこれくらいかかりそうだから、今から準備しておくと、いざという時に慌てずに済むみたいだよ」「二人で計画を立てることで、将来もっと安心して過ごせると思うんだ」など、話し合うことで得られる安心感やメリットを具体的に伝えてみましょう。
- 責めるのではなく、感謝の気持ちを伝える: これまで家計を担ってくれたことや、協力してくれる姿勢に対して感謝の気持ちを伝えると、相手も話しやすくなることがあります。「いつもお仕事頑張ってくれてありがとう。将来のお金のことを一緒に考えられたら嬉しいな」など、柔らかい言葉で伝えてみましょう。
- 専門家の活用も視野に: どうしても二人だけで話し合うのが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも有効です。第三者が間に入ることで、冷静に話し合いが進みやすくなる場合があります。
定期的な見直しの重要性
ライフイベントとその資金計画は、一度話し合ったら終わりではありません。家族の状況や社会情勢は変化しますので、定期的に見直し、必要に応じて計画を修正することが大切です。例えば、年に一度、夫婦の記念日や年末年始などに、ライフイベントと資金計画について話し合う時間を設けることを習慣化するのも良いでしょう。
まとめ
将来の大きな出費であるライフイベントについて、夫婦で具体的にリストアップし、必要な資金の目安を共有する話し合いは、漠然としたお金の不安を解消し、将来への安心を築くための重要なステップです。
最初の一歩は、夫婦で将来について語り合い、「どんなライフイベントがありそうか」を自由に書き出すことから始まります。そこから「いつ頃」「いくらくらい」必要になるのかを具体的にし、現状との差を埋めるための具体的な行動へと繋げていくのです。
このプロセスを通じて、夫婦間の金銭感覚の違いを理解し、お互いを尊重しながら共通の目標に向かって協力することができます。時間はかかるかもしれませんが、一歩ずつ、夫婦で協力しながら、将来のライフイベントに向けた資金準備を進めていくことで、より安心して未来を迎えられるようになるでしょう。ぜひ、今日からでも、夫婦で未来のライフイベントについて話し合う時間を設けてみてください。